2020年版「中小企業白書」(2)

中小企業白書からのトピック(2)です。

労働分配率について

出典:中小企業庁ウェブサイト (https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/                    2020/PDF/2020_pdf_mokujityuu.htm)

まずは、労働分配率についてですが、その前に付加価値の概念を理解する必要があります。付加価値とは単純に考えれば企業(個人)がモノ(サービス)の売上から、材料等の仕入れを引いた額の事ですが、かかった人件費は考慮しません。

人件費は、得た利益を従業員に分配するものとの考え、上記の付加価値に対して分配した利益の割合を「労働分配率」といいます。(上記「図1」参照)

大企業との比較

さて、ここで中小企業の労働分配率を見てみると、大きな特徴が2つあります。

一つは、大企業に比べて中小企業の労働分配率は高いということです。この理由には、
 
①大企業の利益率が高く、利益に対する人件費の割合が低い
②大企業が人件費以外にかけるコスト(企業の内部留保等を含む)が大きい

が主に挙げられます。
大企業が利益率が高い要因には、生産機械やITなどの労働生産性を上げるための投資余力が大きいことにも起因しています。

近年の推移

労働分配率の近年の推移を見てみたいと思います。大企業とともに中小企業の労働分配率は低下傾向にあります。よく国民の豊かさを論じるときに、「実質所得」という表現が使われますが、単純に言えば「給料が上がっても物価が上がれば、実質的に所属増ではない」という事になります。ここで物価に直結するのが企業の売上です。従って、企業の売上から得られる利益に対し、人件費として分配する労働分配率が上がれば実質所得の増加に寄与するとも考えられます。(直結するわけではありませんが)

一概に労働分配率の上下だけで良し悪しを判断する事は出来ませんが、企業競争力を十分に保ちながら、従業員の満足度を高めるために最適な労働分配率を模索していく必要があるかもしれません。

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