行政手続きの電子化(3)登記事項証明書申請

今回は、行政手続き電子化(2)で紹介した、「申請用総合ソフト」を利用した登記事項証明書の申請の手続きを紹介します。

簡単な申請入力

申請用総合ソフトをインストールした後、各種申請メニューから、「交付請求書(登記事項証明書【署名不要】」を選択します。(【署名不要】とは電子証明書が必要ないことを意味しています)

「申請用総合ソフト」画面

申請書の入力

次に、申請したい法人の情報、申請者、郵送先等を申請書に画面から入力します。法人の情報は、登記情報から検索できる他、PCに保存してある法人情報を選択することで、面倒な検索処理を行わなくても、転記することができます。

「申請用総合ソフト」画面

入力が終わったら、データの送信を行い、申請は完了です。

「申請用総合ソフト」画面

送信が終了すると、ステータスが「受付」に変わります。次に手数料の納付ですが、今回は電子納付を行います。(申請書入力時に、電子納付を行うための団体名を記入する必要があります)

「申請用総合ソフト」画面

納付の欄から、「納付ボタン」を押下すると、インターネットバンキングを利用できる金融機関を選択する画面に遷移し、ログイン後支払を行う事ができます。

簡単に申請

以上で、申請・納付が完了です。後は郵送先にしてした住所に証明書が届くのを待つだけです。入力から申請・支払いまでは1時間もかからない程度です。手入力や移動・郵送の手間も省けて非常に便利ですので、是非ご活用をお勧めします。

行政手続きの電子化(2)

今回は、行政手続きの電子化(2)(登記関連)について記載します。

企業運営に必要な登記関連

企業運営を行っていると必ず必要になる手続きが登記関連です。本店支店の登記からその移転、又は取締役の選出や、代表者の住所の変更等、企業としての基本的な決め事を法的に正式なものとするために、法務局等への届け出が必要となります。

必要なたびに法務局等に出向いて申請を行う事は、人出が足りなく本業に少しでも時間を割きたい中小企業にとっては、時間と手間が取られ、それなりに負担になります。その負担を軽減できるのが登記関連の電子化です。

登記関連の電子化

法務局等への登記手続きや、また登記申請だけではなく登記事項証明書や印鑑証明書の取得申請もオンラインで可能です。ここでは、「かんたん証明書請求・供託かんたん申請」と「申請用総合ソフト」をご紹介します。

「かんたん証明書請求・供託かんたん申請」と「申請用総合ソフト」

法務局等への申請手続きには、主に交付請求が可能な、「かんたん証明書請求・供託かんたん申請」と、登記申請も可能な、「申請用総合ソフト」があります。前者は、ソフト等のインストールが必要なく、利用者登録をするだけでwebサイトだけで手続きが完了します。(印紙代等の支払もクレジットカードで可能)

一方、後者の「申請用総合ソフト」は専用のソフトをインストールする必要がありますが、登記申請の手続きが可能になります。電子証明書があれば電子手続きだけで処理は完了しますが、電子証明書がなくてもソフトから印刷した書類を郵送すれば手続きが行えます。

以下に、両者で可能な手続きの比較表を掲示します。

登記供託オンラインシステムサイトより

便利な「申請用総合ソフト」

申請用総合ソフトは、ほとんどの手続きが可能になりますのでとても便利です。ソフトのインストールも簡単です。インストール後は、ショートカットから以下のようなログイン画面が立ち上がり、

ログイン画面

ログイン後は、以下のような画面から手続きを行います。

積極活用

このように、電子手続きは、企業運営に必要な手続きを効率化してくれますので、積極的に活用していきたいです。

行政手続きの電子化(1)

今回は、行政手続きの電子化について記載します。

求められる行政手続きの電子化

昨年、コロナ禍における国民や中小企業の支援政策として、国民への一律特別定額給付金や中小企業には持続化給付金の支給が実施されました。しかしながら、手続きが大変だったり、マイナンバーを使用した電子申請をおこなった方が給付が遅れたりと、政策自体はさておき、同様の海外の施策実施のスムーズさと比べると、運用についてはあまり好意的な評価ではありませんでした。

その要因のひとつとして、行政手続きの電子化(DX化)の遅れと言われています。マイナンバーを使用して申請したものを、実は受け付けた自治体が電子情報を他のシステムに手入力していたという笑えない話がその実態を物語っています。

政府行政の電子化

菅政権となってから、デジタル庁の創設など、行政の電子化が公に推進されていくことになりました。まだまだ行政手続きの電子化が遅れていると記述しましたが、それでも利用可能な電子サービスは存在します。ここでは、「e-Govポータル」をご紹介します。

行政の総合ポータルサイト「e-Gov」

e-Gov(いーがぶ)は、法令や行政文書等、行政が扱っている文書が検索できたりしますが、一番の利点は、行政機関に対する申請・届出等の手続きが電子的に行えることです。届け出機関に書類を提出しに行ったり、行っても順番待ちで長いこと待たされたりすることがありません。また、一度作成したデータは再利用が可能ですので、企業の基本情報や変更の必要のない事項を毎回記入する必要がありません。

e-Govサイトより

但し、昨年(2020年)の11月までは、e-Govを利用した申請や届け出には、「電子証明」が必要でした。電子証明を取得するためには、代表者のマイナンバーカードを利用するか、電子証明の発行機関から取得(有償)するかが必要で、中小企業にはハードルが高いものでした。

e-Govの利便性が向上

昨年(2020年)の11月に、e-Govがアップデートされ、e-Govを利用するためのアプリケーションのログイン方法を複数から選択する事が可能になり、その中に「GビズID」を利用する事が可能になりました。

「GビズID」を利用してe-Govを利用すると、電子証明を取得していなくても可能な申請や届け出があります。厚生労働省が管轄している労働保険関係手続の電子申請もその対象になっています。

厚生労働省ホームページより(赤線は筆者加筆)

GビズIDとは

GビズIDは、元々経済産業省が行政の電子化を進めるために運用していたもので、GビズIDを利用して、社会保険の手続きや補助金の申請等が電子的に可能でした。一方、電子申請が可能な手続きの種類は圧倒的にe-Govの方が多いので、GビズIDを、e-Govで利用できることで、利便性が大きく向上しました。

参考:GビズIDサイト(https://gbiz-id.go.jp/top/)

GビズIDは、上記サイトから取得申請を入力して、必要書類(印鑑登録証明書)と一緒に申請することで、約2週間ほどで取得可能です。

今後に期待

行政の電子化は着実に進んでいます。これらを活用する事で、申請や手続きの効率化が進む事で日本全体の企業競争力の向上に寄与することにもなります。活用を常に念頭におきながら企業運営を進めていきたいです。