2020年版「中小企業白書」(5)

中小企業白書からのトピック(5)です。今回は、新型コロナウイルス感染症の影響です。これは2020年4月に公表されたものですので、影響の初期段階における状況になります。本年(2021年)に公開される中小企業白書では、本格的な影響のレポートが行われると思いますので、本サイトでもお伝えしたいと考えております。

インバウンド需要・国内消費が激減

まず、消費全般の動向ですが、外国人観光客を中心とするインバウンド需要が大幅に減少した事により、小売り等の売り上げが減少しています。

出典:中小企業庁ウェブサイト (https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/                    2020/PDF/2020_pdf_mokujityuu.htm)

訪日外国人数は2月の時点で既に前年同月の半分以下に減少しています。その後の感染拡大の影響を鑑みると、年間通して大きく減少していると推定されます(この点は、各種報道もされていますが、今後発表される中小企業白書からも紹介をしたいと思います)。

具体的な売上の減少の例示として、百貨店売上が挙げられていますが、国内需要では全国で前年同月比10%強落ち込み、インバウンド需要としてカウントされている免税額売上に至っては、前年同月比で30%まで落ち込んでいます。

他の例示としては、新幹線の利用状況も挙げられていますが、観光客の消費としては、宿泊・飲食・その他観光業も影響を受けている事は間違いありません。

製造業にも大きな影響

出典:中小企業庁ウェブサイト (https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/          2020/PDF/2020_pdf_mokujityuu.htm)

次に製造業に関わる影響を見てみたいと思います。中国からの輸入額についての変動を見ると、電気機器・一般機械の輸入額が落ち込んでいます(図1)。日本企業の海外子会社数を見ると、中小企業は大企業と同レベルで中国に保持しており(図2)、部品等の製造をかなり中国に依存している事が分かります。

これは、国内需要が減少した事に起因するだけでなく、逆に中国からの輸入がままならない事で、製造・出荷が追い付かなく、結果的に売上の減少を招いていることも考えられます。

まとめ

外国人観光客のインバウンド需要に依存した業態は、大きな影響を受ける事態は避けられない状況はあります。今回の経験を踏まえ、今後国内需要に対応した商品やサービス、また海外売上等、業態の選択肢を広げることも必要かもしれません。

2020年版「中小企業白書」(4)

中小企業白書からのトピック(4)です。今回は、支援機関の有効活用策をご紹介します。

外部支援機関の活用

中小企業は大企業に比べ、人財や資金が潤沢にはなく、高品質なノウハウやスキルを持っていても、その応用や展開については限界があったりします。これらの中小企業が持つ新しい技術やサービスを醸成し、地域や日本経済を担っていくことは、経済全体の活性化につながります。

中小企業が成長していくために、様々な支援を行う機関が存在しますが、2020年版中小企業白書では、支援機関の有効活用についてまとめられています。

出典:中小企業庁ウェブサイト (https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/                    2020/PDF/2020_pdf_mokujityuu.htm)

上記の解説では、「社外の相談相手からのアドバイスを受けることで、自社の強みや経営課題がより明らかに」なるとされています。第3者の目で客観的に分析することで、自社の状況が把握できることは、普通にうなずけます。自社の強みや経営課題を把握するだけでも、次なる打ち手の策定ができるようになり、非常に有用であるかと考えます。

外部支援機関の事例として、商工会議所の支援が紹介されています。

事例

出典:中小企業庁ウェブサイト (https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/          2020/PDF/2020_pdf_mokujityuu.htm)

ここで、行われた事例として参考になる点がひとつあります。現状分析を行う際に、経済産業省が提供している分析ツール(「ローカルベンチマーク」)を活用している点です。中小企業に対する支援施策がいろいろと存在し、効果的に活用できることを示していると思います。

支援機関側に求められること(支援機関連携)

次に支援機関側に求められることとして、支援機関側の連携が挙げられています。これは、「商工団体(商工会・商工会議所・中央会)は、一人当たりの対応事業者数が多い」ことから、きめの細かい対応を実現するためには、その他の機関が連携を強化していく必要があります。

出典:中小企業庁ウェブサイト (https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/
2020/PDF/2020_pdf_mokujityuu.htm)

事例

出典:中小企業庁ウェブサイト (https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/
2020/PDF/2020_pdf_mokujityuu.htm)

支援機関連携の事例として、長野県飯田市の事例が紹介されています。これは非常に参考になる事例です。従業員2名の小規模製造企業が、製造過程で出る廃棄物の有効活用の支援を申し入れ、連携組織の支援によって受注まで発展したというものです。外部の支援がなければ実現しなかった事例だと思います。

まとめ

事業は、様々な関係先との連携が発展のための重要要素であると言えます。支援機関もそのひとつであり、有効に活用していきたいです。